慶應義塾大学SIVアントレプレナー・ラボラトリー

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SIV Relay Blog

2008年03月28日
[SIV終結記念特別寄稿5] 多様なエコシステムが持つ可能性を信じて /長尾 槙子(Makiko Nagao)

  長尾 槙子(Makiko Nagao)

 
 
慶應義塾大学 環境情報学部
國領研究室所属

2007年12月 KLIC(Keio Leading Innovation Community) 代表
2007年 3月 MIT 100k主催 Global Startup Workshop (Norway) 参加
2007年 2月 Innovation Challenge ドキュメンタリー撮影お手伝い
2006年11月 Global Business Intersection
(Open Research Forum 2006にてNUSとの連携企画を開催)
2006年 9月 アントレプレナー概論供SA
2006年 8月 APEC-TIC (Taipei) 視察
2006年 5月−2008年3月 慶應ビジネスコンテスト実行委員会 所属
2006年 4月 慶應義塾大学 環境情報学部 入学
大分県立大分舞鶴高等学校 理数科 卒業

KLIC: http://www.keio-lic.com/
flickr :http://www.flickr.com/photos/56517592@N00/


はじめに
   SIV終結記念特別寄稿ということで、このような機会を下さったことに感謝いたします。ありがとうございます。リレーブログを書かせていただくのは今回で何気に3回目なのですが、まさかここまでSIVと関わりを持つとは思ってもいませんでした。私がSIVと出会ったきっかけは、授業でもらったチラシ片手に1人で刈込のドアを叩いたことにはじまります。それがKBCコンテストスタッフ募集のチラシでした。それからもう2年が経ちます。
 今回は、SIV/SIVSGが終結するにあたり個人としての思いを綴ります。どうぞよろしくお願いいたします。

SIVにこだわる理由
 私が最初にKBCに関わろうと思ったきっかけは、そのとき流行っていた学生起業家ってどんな人たちなんだろう。話してみたいという理由でした。そんな不純な動機がきっかけで、私は入学当初から2年間どっぷりKBCな日々を送ることになります。
 巷でよく言われるような学生起業家コミュニティというのは、そこら辺にたくさんあります。でもそういったコミュニティには属せずに私がこの辺にいる理由を考えてみたら、実際この周りにいる学生起業家というのはメディアで取り上げられそうな、どれだけ儲けることができたのかという人たちではなく「自分たちが好きなことをやっている」「自分にしかできないことをやっている」「世の中に新しい価値観を生み出したい」そういった自らの世界観を描こうとする学生が多いのが特徴であると思います。そこが私にとって魅力的でした。そういう人たちは、自分の好きなことに夢中で取り組んでいて、人生を覚悟して生きているように思います。多分、私はそういった彼らの覚悟が好きなんだと思います。本気で生きている人とは、色々話してみたいなと思うし、この人はこれからどんな人生を歩むのだろうと関心を持たずにはいられない人が多いように思います。
 そして、もう1つこの辺にいる理由はそういった真剣に生きる人に対して全力でサポートしようとする人達が周りにいることです。そのような人たちとわいわいがやがやしながら、これからの世界をどう描いていこうか、どういった仕掛けをSFCに、慶應にしていこうかという話をします。このコミュニティの特徴の1つでもあるのですが、1番年下は19歳から、上は70歳くらいまでと幅広い世代によってなりたっています。そういったメンバーで「ベンチャーを輩出する」という1つのテーマの下、いつもわいわいしています。私はそのような賑やかでオープンである雰囲気がとても好きでした。

KLICとこれから
 2年間のKBCでの活動を通して、コンテストという機能以外でインキュベーション・アントレプレナー教育へのアプローチを模索しているときに、2007年12月石川と出会います。そこで彼らが以前からやっていた活動(LIP)とやりたいことが重なり、KLICが立ち上がります。KLICというのは、簡単に言うと(SIVSGの良さを無くさないため)+(KBCのビジョンを別の形で具現化するため)の実験装置という感じです。
 SIVSG終結に伴い、これからKLICとして動き出す要素は3つあります。

1)多くの学生にチャンスがあること
 SIVでは、よく学生を海外カンファレンスや国内出張に連れて行き、大学の中だけでは体験できない刺激を与えてくれました。私も出張に連れて行ってもらったことがきっかけでグローバルへの興味やこういった活動の自立化・持続可能なモデルといったところに関心を持つようになりました。SIVSGの学生には本当にチャンスに恵まれていたように思います。

2)起業している学生と起業したい学生が触れ合う場
 夜遅くまでSFC-IVの204号室でプロジェクトの作業をしていると皆でよくピザを頼むのですがその時に自分のプロジェクトだけでなく周りにいる人も誘って一緒に食べます。そのときに何人かの学生起業家の方もいて、その時に起業家の視点からビジネスコンテストについてのアドバイスを頂いたり、社長のビジョンを熱く語ってもらう機会が自然とあります。起業した学生と起業を考えている学生との距離が近い環境も無くなって欲しくないと感じています。

3)メンターや会員企業など、お手本となるような大人と触れ合う場
 最後に、SIVの周りには将来こういう生き方をしたいなと思う大人たちがたくさんいます。会員企業の方であったり、メンター三田会の方であったりします。そして、SIVでは積極的にそういった大人と学生が接点を持つ場を用意してくださったように思います。そこから垣間見る哲学、生き方というのは強烈なメッセージとして学生の中に刻まれています。

 この3つの要素は、私がSIVの近くにいた理由でもあるように思います。このような恩恵をここで止めるのではなく、未来の後輩にも繋げていけるような活動ができればいいなと思っています。

 また、現代においてクリエイティビティであるのは特別な才能に恵まれた少数の人に限られると思っている人が未だにいるように感じます。私は、全ての人間にアントレプレナー精神が宿されているように、全ての人間はクリエイティブであると思っています。ひと1人が世の中に多大なインパクトを与える可能性は計り知れないものです。しかし、現状日本においてその可能性を十分に引き出せているかと言えば疑問に思います。そこで、私はアントレプレナー育成やインキュベーションといった視点から、その可能性をぐっと高めるそんなお手伝いをしていけたら幸せだと思っています。

仲間に向けて
 過去、SIVを振り返ると学生が行う活動というのはSIVコンテストがあり、K-TECが生まれ、そこからKBCが生まれ、いまKBC+SIVSGのメンバーをもとにKLICが生まれようとしています。コミュニティは違えど、根底となる理念はみな同じです。
 インキュベーション・アントレプレナー育成に関連する学生団体が増えることは「健全な争い」がおきることになります。その結果、学生にとってよりよりサービスを提供することにもつながります。ですから、こういった活動を行う仲間とは「より良いものを生み出そうとがんばっている」ということへの信頼を持ちながら、互いに刺激を受けつつ、この緊張感を楽しみながら活動を行っていきたいなと思っています。

最後に
 私は、起業した経験もなければ、社会に出た経験もありません。ゆくゆくはベンチャー支援といったことを仕事として、いつの日かできたらいいなぁとは思っていますが、自らがプレーヤーとしての経験がないと本当の支援は難しいように思います。
 そんな状況でも、大学を基盤としたインキュベーション活動における学生が担う役割・機能というのは、たぶんあってそれがまだ慶應/SFCでは開拓しきれていないように思います。 KLICは、そういった部分を模索しながら担い、また自立した・持続可能なモデルとなるよう1つの事例を作って行きたいなと思っています。
 今まで2年間私は、SIV周りの人から色んなチャンスであったり、期待であったりといただきっぱなしであったように思います。きちんと気持ちを返せていたのかというと甚だ疑問です。しかし、これから2年間は、ただチャンスや期待をいただくだけでなく、言われたことに気をつけて日々成長する姿をみせることで皆さんの期待や気持ちを返せたらいいなと思っています。まずは、そこからはじめて見ようと思います。

 最後に、以前廣川さんの記事に「この2年余りの間、牧さんと牧さんが作ったコミュニティのなかで、最もインキュベートされたのは、私自身ではなかったかと思います。」と書いてありましたが、私もまた例外ではないように感じます。このような連鎖がどんどんおきていくような仲間を作っていきたいです。
 これからも皆様からのご指導・ご鞭撻のほど、宜しくお願いいたします。

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次回は2008年3月29日更新予定です。

 

投稿者: siv 日時: 2008年03月28日 21:33

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